中国は日本と違って国土が広大です。当然、葬送習慣は地域によって変わってきます。都市部では遺体は棺に入れずに火葬場まで運び、火葬をしてから追悼会を行うと言うのが基本的な流れです。かなり簡略化された葬儀と言えるでしょう。
地方では火葬ではなく、土葬することが多いです。なくなった翌朝に遺体を棺に納め、埋葬する墓地へ向かいます。墓地までは葬列を組むわけですが、先頭に弔旗を立てたり、爆竹を鳴らしながら更新することもあります。これは日本では考えられない風習と言えるでしょう。
また、中国にはたくさんの少数民族も住んでいます。たとえば、雲南省にはアーチャン人がいますが、アーチャン人が亡くなると、出棺の際に遺族が自宅の扉の両側にひざまずきます。そして、ひざまずいた遺族の上を棺が通るようにするわけですが、これは死者の川渡りを表現しているそうです。
ネパールにはヒンズー教徒がたくさんいますが、仏教徒やキリスト教徒もいます。信教の自由は保障されていると言っていいでしょう。ヒンズー教徒の臨終が近づいてくると、医師は本人にはクマティ川で最期を迎えたいかと尋ねます。
バクマティ川は聖なる川とされており、そこで最期を迎えたいと言うヒンズー教徒は多いです。バクマティ川で最期を迎えたいと希望した場合は、まずはシバ神を祀る寺院に移します。そして、亡くなったら、遺体の唇をバクマティ川の水で濡らし、川の水に足を浸して火葬すると言うのが基本の流れです。
仏教徒が亡くなった場合は、寺院で葬儀を行い、こちらも川のそばで火葬します。チベット仏教の場合は、占いで葬送の行い方を決めるそうです。火葬は富裕層が行うものとされており、貧しい人は水葬か曝葬が一般的とされています。